新型コロナウイルス感染拡大のおそれから仕事がリモートワークになった方も多いと思いますが、自宅での仕事中にはエアコンの稼働率も半端ナイと思います。
ただ、窓を開放することもあるため、網戸も必需品です。
その網戸について、私の担当するマンションの居住者様から、先日、壊れているとの連絡を受けました。
訪問して確認したところ、人がバルコニーへ出るための大きさの「上げ下げ窓」でした。

この窓は、下半分を上にスライドさせると上半分が下に下がるベルトやワイヤーでバランスをとっている窓です。
網戸はアルミサッシ枠の下部に載せて固定するフック金物があるのですが、どうやら、フック金物を固定していたブラインドリベットが壊れてしまったようです。


通常でしたら、上部で固定されて吊り下げられているので大きな力が加わらなければ、それほど支障はないのですが、台風などの強風の時はバタバタと音をたててしまいますし、網戸だけでなくアルミサッシが壊れてしまうことも心配されます。
この状態では、修理するしかありません。
製造メーカーに修理してもらう場合、メーカーにもよりますが出張してもらうだけでも5,000〜8,000円程度かかると思います。
そして、簡単な内容であれば、そのまま修理していただけますが、場合によっては別途費用が発生することがあります。
さて、ここでひとつ問題です。
窓は共用部分のため、修理費用は誰が負担するかということが疑問になると思います。
国土交通省の標準管理規約では、次のように記載されています。
「網戸」の記載はありませんが、窓枠でしたら「専用使用権」が認められた「共用部分」です。
_/_/_/_/_/_/_/_/
(専有部分の範囲)
第7条 対象物件のうち区分所有権の対象となる専有部分は、住戸番号を付した住戸とする。
2 前項の専有部分を他から区分する構造物の帰属については、次のとおりとする。
一 省略。
二 省略。
三 窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとする。
3 省略。
(バルコニー等の専用使用権)
第14条 区分所有者は、別表第4に掲げるバルコニー、玄関扉、窓枠、窓ガラス、一階に面する庭及び屋上テラス(以下この条、第21条第1項及び別表第4において「バルコニー等」という。)について、同表に掲げるとおり、専用使用権を有することを承認する。
2 省略。
3 省略。
(敷地及び共用部分等の管理)
第21条 敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の保存行為のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。
2 省略。
3 省略。
4 省略。
5 省略。
6 省略。
_/_/_/_/_/_/_/_/
網戸も窓枠と同様と考えられると思いますので、この場合、区分所有者である居住者様が修理することになるのでしょうか?
管理組合によっては、自己負担でなく管理組合の費用で修理してくれる場合があるようです。
規約に記載されていなくても、「別表」に「網戸」の記載がされていることがありますので、確認が必要と思われます。
今回は、割と簡単な作業だと思われましたし、居住者様が急いでらしたので管理組合に確認する時間が惜しいと思いまして修理のお手伝いをすることといたしました。
まずは、上部を固定する左右2本のセットスクリューをプラスドライバーを使用して外します。


取り外したら、バルコニーに網戸が破れないように丁寧に置きます。

網戸の枠に残っている古いブラインドリベットを取り除きます。
ドリルで下穴をあけるイメージですね。もしくは、ドリルを使用しないでも少し敲くだけで簡単に抜け落ちると思います。
今回は元の穴を利用しますのでドリルを使用する場合は穴が大きくなり過ぎないように注意します。
ブラインドリベットの残骸は、網戸の枠内に落ちてしまい取り除けませんが、この際やむを得ません。
フック金物にもリベットの残骸がありましたので、同様にドリルで穴をあけて取り除きます。
下穴をあけるのに利用したドリルは、3.5mmでは大きすぎると思われましたので3.2mmにしました。
そして、新たなブラインドリベットをリベッターを使用して打ちます。
ステンフランジのステンシャフトは耐久性に優れています。
しかし、既存の製品もアルミフランジと思われましたし、高価ですのでアルミフランジのスティールシャフトのブラインドリベットを使用しました。


これを左右2ヵ所取り付けます。
キレイに取り付けることができました。
ここまでできれば、あとは取り外しと反対の段取りで網戸を取り付けます。
まずは、下部のフックをアルミサッシの枠に載せて固定し、上部をハメ込んで、セットスクリューを取り付けます。
作業は、これで完成です。
今回の修理は元の穴を利用しますので、事前準備をチャンとしておけば、現場での作業時間は5〜10分程度でした。
ただ、高層階の住戸には蚊などはほとんど侵入しないと思いますので網戸を取り外してても大丈夫かもしれませんね。